・ジービーズ/チュンジービーズ について
What? dziって何ですか?
天然石の瑪瑙(乳白色のカルセドニー)をアルカリ溶液で一旦黒化させた後、再度アルカリ液で白色の◯や□の模様をエッチング加工したビーズをジービーズを言います。
ジーとはチベット語で瑪瑙を表す言葉です。
また、乳白色のカルセドニーの中央部分だけを黒化させた後、白色のストライプを入れたビーズはチュンジーを呼ばれています。チュンとは、「セミ(第二の)」とか、「低級の」という意味で、ジービーズより格下のビーズ全般を言います。
ジービーズは、チベット文化圏でつくられたビーズで同じような技法や模様のビーズは他では見ることができません。
ジービーズに書かれた模様には規則性があり、円、点、正方形、長方形、線、心臓、花瓶などの模様に、ジグザクの線を組み合わせたものが殆どです。
一般には、丸い模様が1つなら「一眼」2つなら「二眼」のように呼ばれています。
チベットの言葉では、一つ一つの模様に固有の呼び名があります。
チベットのジービーズは古代からの遺物ですが、チベットの人々は、良いカルマ(幸運)をもった虫が変身して天からやってきたなど超自然的な起源であると信じています。
チベット人は、雷の音をドラゴンの叫び声と考えており、ジービーズはドラゴンの力を格納庫のように捉えているそうです。
インド・シッキムでは、Kanchenjunga mountain(カンチェンジュンガ山)の裾野の斜面で多数発見されています。
How? dziをどうするの?
ジービーズの歴史は、科学者、歴史学者、考古学者の間で、7世紀にジョカン寺に奉納された仏像とともに奉納されたのが始まりと考えられています。
ジービーズの使用目的は、チベット社会で様々な目的で使用されています。
チベットの女性は装飾品として使用し、男性、僧侶、高僧は、保護と幸運の証としてそれを着用しています。
寺院では、神聖な古代の仏像を飾る装飾品として使用されています。
チベットでは、羊数千頭~数十頭と同じ価値で取引され、ジービーズはステータスシンボルとみなされるようになっています。
5眼、7眼、9眼、12眼に至っては、数千頭のヤクと同等の価値てされています。
同様に、蓮の花や長寿の花瓶模様のジービーズも非常に高い価値が付いています。
Why? どうしてdziを持つの?
一般に、ジービーズは悪いカルマを避け(魔除け)、貴重な願いを叶える(ヤン)に効果のあるお守りとして流通しています。
また、チベット漢方の薬の主成分としてこの石を削って飲用します。
特に、一眼、3眼、5眼、9眼、天地、蓮花、ドルジェ模様のジービーズは、悪いカルマ避けに効果があると信じられています。
チベット、シッキム、特にブータンでは、ジービーズの角を少し削り、突然の不幸や病気、家族の死をふせぐため神様に捧げる風習があります。
このため、古いジービーズの中には、人為的に角を削ったものも少なくありません。
古いジービーズは、チベット文化圏:ブータン、シッキム、ラダック、ネパールや以前仏教国であったアフガニスタン、シルクロード沿いのパキスタンでもジービーズは発掘されています。
20世紀のアジアの歴史を少し振り返ってみてください。
現在、世界地図の上にチベットという国は存在していません。
存在しない国ではありますが、チベット密教の愛と慈悲の教えは途絶えることなく受け継がれています。
チベットのことを詳しく知りたい方はコチラをご覧になってください。
そして今、dziは・・・
1940年代から、中国、インドにおいてレプリカが作られるようになりました。
1944年には、台湾で非常に良いレプリカが製造されはじめ、これらレプリカには、チベットのアンティークビーズ固有の特徴をすべて含んでおり、アマチュアコレクターの中には、これらのレプリカを本物のアンティークと称して、思考法外な金額でだまされることがおきました。
したがってアンティークのジービーズを購入にあたってはとても注意が必要です。
チベットジービーズには、チベット仏教、文化と密接に関連しており、ジービーズを所有するということは、チベットを外の世界に広め、チベット仏教を明らかにする事にほかなりません。
あたかも「願いを叶えるパワーストーン」としてジービーズを見る機会が増えてきました。
ホントに願いをかなえてくれるでしょうか?
さぁ、どうなんでしょうね?
ガネーシャとしては、「縁を運ぶ石」のように感じています。
それはきっと、「人としての生き方・在り方」から作られ大事にされてきた背景があるからでようね。
「二眼は◯◯に効く」とか「天地は□□に良い」とか、そういう個人の欲望を叶える為のものではないような気がします。
あまり模様の効能にこだわる必要はないようです。
どの模様でも、持ち主が自然と気付かされていく不思議な力があるように思えてなりません。
当店のお客さまはみなさん、お約束のようにいつも身につけて大事にされています。
チベット仏教徒でもないのに・・・ね、と微笑ましく思います。
今、チベットという国はありませんが、チベット民族はたくさんいます。
チベット文化を色濃く残す国もまだまだあります。
チベットの文化と民族に敬意を表して、ガネーシャではdziを天珠とは呼んびません。(HP上では種類がわかりやすように漢字表記にしています)
どんなdziがいいの?
アンティークに関しては、見るポイントがいくつかあります。
石の肌、石質、焼き込み具合、ホールの状態、磨耗具合など、細部までチェックすることが大切です。
誰しもわかることではないので、よほど興味のある愛好家か多くのアンティークを見てきた方から本物の実物を見て理解を深めていくことが一番良いと思います。
たくさん見ていくと、自分の好きな色・艶・大きさ・肌質がわかってきます。
アンティークは何でもそうですが、奥が深いものです。
そしてどれが一番イイと言えないもの面白いですね。
アンティークがアンティークである所以は、唯一無二であるところです。
長い時の流れの中で、今目の前に在る偶然の奇跡もアンティークの魅力のひとつでしょう。
状態や模様によって、アンティークの値段は大きく変わります。
最初から大物を狙うのもいいですが、まずは勉強も兼ねてお手頃なお値段から探してみてください。
どんな模様でもきっと良いご縁を運んでくれることでしょう。
チベットという国がなくなった後に中国や台湾で作られたdziはアンティークとは言いません。
数十年前のものでも決してアンティークではありません。
それらは新しいdzi(New Dzi)と区別されます。
当店でも新しいdziを扱っていますが、できるだけオリジナルのアンティークdziに近い印象のモノを選んでいます。